コーチングを機能させる為に、クライアントの主体性が低ければ高めないといけません。逆にクライアントの主体性が高ければ、それを維持していく必要があります。
主体性を高める手法
クライアントの主体性を高める手法としては、まず対象となる出来事の本当の目的をしっかり考えて認識してもらうことです。本来の目的はどういうものでそれに向かう為にクライアントがどんな立場にあるのかを考えてもらいます。
また、「主体性を高める」ということを1つの目標として設定することも有効です。他の目標達成と同様に以下のようなステップを辿ります。
(1) 現状認識
今現在の主体性の程度がどのレベルにあるかを分析します。具体的にはどういったときに主体性が上がり、どういったときに主体性が下がるのか、そしてその頻度を対話を通じて探っていきます。有効な質問としては以下のようなものがあります。
「あなたはどういうときに主体性が高くなりますか?」「逆に、どのような時に主体性が低くなっているでしょうか?」「何が原因で異なったマインドセットとなるのでしょうか?」
(2) 目標設定とギャップ認識
上記で課題となった主体性の低い状態がどう変わるのが理想なのかをイメージし、その時にクライアントがどのような思考をするのか、どのような言葉を発するのかを明確にしていきます。有効な質問としては以下のようなものがあります。
「あなたはどうしたいですか?」「あなたはどのような貢献ができますか?」「あなたが有益な発信をできるとしたら、どのようなことですか?」
(3) 行動計画の策定
主体性はクライアントが自分自身に常時どのような語り掛け、問い掛けをしているかしているかで決まってきます。ネガティブな思考を頭の中で繰り返していれば主体性はどんどん低下していきます。ネガティブな思考に気づき、それをポジティブな質問に言い換える練習をすることは非常に有効です。
「どうせ無理だろう」⇒「どうすれば出来るだろう?」
「こんなことをやっても仕方ない」⇒「これをやる意義があるとしたらなんだろう?」
これを1日の決まった時間にその日どのような思考を繰り返していたかを振り返り自分を観察してみることは主体性を上げていくのに役立ちます。
同じ行動を繰り返していると変化は起こしづらいものです。負のスパイラルから抜け出す為には小さなことでも行動を起こすことが重要です。アインシュタインの言葉を借りれば、「同じことを何度も繰り返しながら異なる結果を期待すること」は愚かなことになります。
(4) 障害の明確化と維持する工夫
最後に主体性を下げる要因を明確にしてどうすればそれを排除できるのかを考えます。また主体性が高い状態をどうすれば維持できるのかを行動計画に加えていきます。そのままを言葉にして聞いてみましょう。「主体性を下げる要因はなんですか?」「それを排除する為にはどうしたらよいでしょう?」「主体性が高い状態をどうすれば維持できるでしょうか?」
これらの答えも行動計画に織り込んでいくことで、「主体性を高める」という目標に近づくことが出来ます。
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