英語力向上の事例(2)コーチング・セッション

ここでは会話の要点のみをダイジェストにしています。実際のセッションはもう少し時間を掛けて丁寧に行われているとお考え下さい。

コーチ :それでは青山さん、よろしくお願いします。早速ですが、コーチングで取り扱いたいテーマや目標はお持ちですか?

青山さん:はい。私の目標は出張で困らない英語力を身に付けることです。

コーチ :なるほど、英語力ですね。青山さんは何故、英語力をつけたいのですか?

青山さん:今の仕事で必要だからです

コーチ :今の仕事での必要が無くなれば英語力は不要というように聞こえますが、他に理由はありますか?

青山さん:ん・・・いや、今時、他の部署でも英語は必要だと思います

コーチ :なるほど。異動しても必要ということですね。青山さん、目を閉じて英語力が身に付いた未来の青山さん自身を想像してみてください。・・・どんな風景が見えていますか?

青山さん:はい、英語で外国人とディスカッションをしています

コーチ :どんなディスカッションでしょうか?

青山さん:一緒に協力してビジネスを創ろうという話をしています。コーヒーに軽食をつまみながら、たまにジョークも出てカジュアルな感じなんですが、それでも真剣に未来の話をしています。

コーチ :ビジネスの話ですね。他に見えているものや聞こえているものはありますか?

青山さん:窓の外では太陽が緑の木々を照らしていて、鳥のさえずりが聞こえます

コーチ :いいですね。どんな気持ちがしますか?

青山さん:そうですね。すごく楽しくて誇らしい感じがします

コーチ :楽しくて誇らしいですね。青山さんの表情がぱっと明るくなりました。では、改めて伺います。青山さん、あなたが英語力を求めている本当の目的は何ですか?

青山さん:んー、そうですね・・・英語を流暢に話してグローバルに活躍するビジネスマンになる為だと・・・思います

コーチ :なるほど、「英語を流暢に話してグローバルに活躍するビジネスマンになる」ですね。いいですね。これで目的がクリアになりました。どうですか、ご自身が言葉にされてみて?

青山さん:なんだかちょっと想像しただけなのに、ワクワクしてきました

コーチ :いいですね。ワクワクするというのは「英語を流暢に話してグローバルに活躍するビジネスマンになる」という目的が、青山さんの価値観に沿っている証拠です。目的が明確になったら、次はゴールと目標の設定をしていきましょう

青山さん:ゴールと目標ですか?

コーチ :はい。目的に到達したと客観的に認識できる目印がゴールです。マラソンで例えると、完走した後に皆で楽しく美味しいものを食べるというのが目的。42.195km地点のゴールラインがまさにゴールです。それまでに10km地点、20km地点といったチェックポイントがありますが、それらはすべて目標です。ゴールは最終目標という言い方もできます。では、青山さんのゴールはなんでしょうか?目的に到達したと客観的に認識できる目印です

青山さん:目的に到達したと客観的に認識できる目印か・・・TOEICの点数なんてどうでしょう?

コーチ :いいですね。非常に客観的です。では、ゴールはいつで何点にしましょうか?

青山さん:そうですね。2年後に860点でしょうか。ある韓国の企業の入社足切りラインが860点と聞いたことがあります。実際のところは正直分かりませんが、860点あればかなり目的に近いのではと思います

コーチ :分かりました。では、2年後に860点ですね。勿論、後で修正してもらっても構いません。あくまでも「英語を流暢に話してグローバルに活躍するビジネスマンになる」というのが目的なので、それに相応しいものになっているかどうかが重要です

青山さん:分かりました

コーチ :それでは現状確認をしたいと思います。直近のスコアは何点でしたか?

青山さん:630点です。半年くらい前に受けました。仕事で英語を使うようになったので少しは伸びたかと思っていたのですが、あまり変わっていなかったです

コーチ :では、現状の630点からゴールの860点までの230点がギャップということになりますね

青山さん:随分ありますね

コーチ :そうですね。ゴールの手前に目標を作ってみませんか?

青山さん:はい、750点を1年後の目標にして、ゴールを860点にしたいと思います

コーチ :分かりました。では、行動計画を策定しましょう。230点のギャップを埋めるためにどのようなことができますか?

青山さん:そうですね・・・英会話スクールかな?

コーチ :他にはありますか?

青山さん:TOEIC対策のテキストで勉強するでしょうか

コーチ :他には何がありますか?

青山さん:他か・・・外国人の恋人を作るとかですかね?

コーチ :いいですね。他には如何でしょうか?

青山さん:他ですか・・・ちょっと今は浮かびません

コーチ :なるほど。青山さん、ではどうしたら勉強の選択肢が増やせますか?

青山さん:まずはWebで検索して調べてみます。「英語の勉強方法」と検索すれば、山ほど出てくるとは思います。ちゃんと時間を取って調べてみたいと思います

コーチ :いいですね!やる気を感じますよ

青山さん:以前から調べようとは思っていたので、良い機会だと思います

コーチ :青山さん、沢山の勉強法が出てきたとして、実際どれを実行するかはどうやって決めますか?

青山さん:良さそうだと思える方法を表にまとめてみます。必須項目や加点・減点項目などを加えて点数化して比較します

コーチ :なるほど、比較表ですね。お仕事で手慣れた感じなのかもしれませんね。いつまでに表を完成させますか?

青山さん:次回のセッション・・・2週間後ですよね。それまでにまとめてみます

 

2回目のセッションで青山さんは複数の選択肢とそれらの評価項目についてまとめた表をコーチに見せました。青山さんはその表を元に英会話スクールに週3回通うという選択をしました。費用は高くつくのですが、長期間の勉強に強制力を持たせやすいということに重点をおきました。

 

その後、青山さんは月1回のセッションで目的の再認識、学習状況の確認、問題や懸念事項への対策といったテーマでコーチングを受け、モチベーションを維持していきました。

TOEICの試験は1年後だけではなく、受けられる試験はすべて受験し経過測定の折れ線グラフを作成することで励みにするするという計画も立てました。

さらに英語学習のモチベーションをキープする為に、「英語を流暢に話してグローバルに活躍するビジネスマン」にふさわしい写真をインターネットで検索、写真立てに入れて机の上に置くようにしました。

 

次へ 英語能力向上の事例(3)結果

前へ 英語能力向上の事例(1)コーチングの経緯

コメント

タイトルとURLをコピーしました