以下のような内容のコーチングが行われました。初回から3回目までのダイジェストになります。
コーチ :飯田さん、今日の体調はどうですか?
飯田さん:はい、お陰様で元気です
コーチ :それは良かった。健康じゃないとちゃんとした仕事ができないですからね。では、今何か業務上で問題とかモヤモヤしていることはありますか?
飯田さん:いいえ・・・特に問題はありません
コーチ :わかりました。何か思い出したら言ってください。ところで、飯田さんの将来のことについて聞いてみたいのですが、いいですか?
飯田さん:はい、大丈夫です
コーチ :将来こんな風になったらいいなとか、こういう仕事をしていたいなとかイメージはありますか?例えば、飯田さんが定年退職するまでにどういう状態になっていたいとか?
飯田さん:まだまだ先のことだと思っていますが、実は独立して自分の会社を持ちたいと思っているんです
コーチ :自分の会社ですね。どんなビジネスですか?
飯田さん:物流関係の仕事をしたいと思っています
コーチ :なるほど物流ですか。どうして物流に目を付けたんですか?何かきっかけがあったのですか?
飯田さん:私の父は、祖父の代から個人で物流業を営んでいるんです
コーチ :なるほど、では家業を継ぐんですね
飯田さん:父は個人で小さな事業をやっているだけなので、特に継ぐというものではありません。別に会社を経営したいと思っています
コーチ :分かりました。では、その物流会社を経営する目的は何ですか?
飯田さん:目的ですか?
コーチ :はい、目的です。飯田さんが会社を経営するのは、何かを実現する為の手段ではないでしょうか?その先にある目的を考えてみて欲しいんです
飯田さん:そうですね・・・お金が欲しいです
コーチ :では、お金を得る目的は何でしょうか?
飯田さん:え、えーっと・・・ちょっと分かりません
コーチ :では、何年後かは分かりませんが、その物流業を始めている自分を想像してみてください
飯田さん:はい
コーチ :どのような人が周囲にいますか?
飯田さん:自分の家族と従業員がいます
コーチ :みなさん、何をされていますか?
飯田さん:仕事後に皆で楽しそうに話をしています
コーチ :何が聞こえますか?
飯田さん:そうですね。今日仕事であった出来事を話しているのが聞こえます
コーチ :具体的にどんな話ですか?
飯田さん:お客さんに喜んでもらえたという話です
コーチ :いいですね。では、飯田さんはどんな気持ちですか?
飯田さん:誇らしく思っています
コーチ :なるほど。誇らしく思っているのですね。では、もう一度聞きますね。飯田さんが、会社を経営してお金を得る目的は何でしょうか?
飯田さん:家族を豊かにしたいんだと思います。それから雇用を作りたいです
コーチ :分かりました。飯田さんは物流の会社を経営することで家族を豊かにし、雇用を作り出したいんですね
飯田さん:はい、そこまでは考えていなかったのですが、今考えるとそうなのだと思います
コーチ :では、今考えられるゴールは何だと思いますか?「物流の会社を経営することで家族を豊かにし、雇用を作り出す」という目的が達成できたと分かる目印、つまり最終目標です
飯田さん:まずは会社が立ち上がっているということです。15年くらい先だと思いますが・・・
コーチ :では、目的は「物流の会社を経営することで家族を豊かにし、雇用を作り出す」。ゴールは「15年後に会社を立ち上げる」ですね。会社をスタートするにあたって必要な知識やスキルは何でしょうか?
飯田さん:まずは会社の経営ノウハウ、経理知識が必要だと思っています
コーチ :なるほど。他にありますか?
飯田さん:あとは・・・自分にはコミュニケーション能力が必要だと思っています
コーチ :コミュニケーション能力ですね。他にありますか?
飯田さん:そんなところだと思います
コーチ :分かりました。では1つずつ現状とのギャップを見てみましょう。まず、経営ノウハウについては10点満点で今は何点ですか?
飯田さん:0点です。まだ何も分かっていません
コーチ :ではどうやって身に付けますか?
飯田さん:30歳くらいになって時間ができたら、父の仕事を週末に手伝いたいと思っています。その中でいろいろ学べると思います
コーチ :いいですね、身近にそういう人がいて。では、経理知識は何点ですか?
飯田さん:5-6点です。
コーチ :ではどうやって身に付けますか?
飯田さん:今、簿記2級の勉強をしています。来年試験を受けようと思っているんですが、受かれば10点になると思います
コーチ :なるほど。着実に努力しているんですね。では、コミュニケーション能力はどうでしょうか?
飯田さん:ん・・・1-2点でしょうか。親しい人と話すのはいいのですが、あまり親しくない人とか、大勢の人の前になると急に話ができなくなるんです
コーチ :どうすれば、コミュニケーション能力が上がると思いますか?
飯田さん:ん・・・良く分かりません
コーチ :では、どうすればコミュニケーション能力を上げる方法が分かると思いますか?
飯田さん:まずは、インターネットで検索してみます
コーチ :分かりました。いつまでにその調査を完了させますか?
飯田さん:2週間後の次のセッションまでに完了させたいと思います
コーチ :分かりました。結果をお待ちします
(次回のセッションのダイジェスト)
コーチ :飯田さん、いろいろ調べてみましたか?
飯田さん:はい。調べて自分でいろいろ考えてみたんですが、近所の大学で開催している話し方スクールに通おうと思います。プレゼンテーションが中心なんですが、自分のニーズには合っていると思うんです
コーチ :なるほど、なるほど。それは面白そうですね。ところで、コミュニケーション能力を今の1-2点から向上させるという話でしたが、客観的な評価をどうやって行いますか?
飯田さん:評価ですか?
コーチ :はい。1-2点が3点になった、5点になったと、どうやって把握しますか?
飯田さん:ん・・・コミュニケーション能力を点数化するのは難しいと思います
コーチ :では、1つやり方を紹介してもいいですか?
飯田さん:はい、お願いします
コーチ :何でも定量化はできるんです。代表的な方法はアンケートを作るものです。必要となる能力の要素を分解して、それぞれの項目に例えば5段階のグレードを付けるんです。5項目で5段階グレードであれば、25点満点になります。
飯田さん:なるほど
コーチ :評価については、自分でやるよりも複数の他人にお願いした方がより客観的になります。期初にアンケ―トを取っておけば、その後何点伸びたかが分かります
飯田さん:なるほど、アンケートですね。それでは、自分で作ってみます!
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