今回はクライアントを理解する為のツール「コミュニケーション・タイプ」についてです。
クライアントを理解する
コーチングにおいて、コーチがクライアントのことを理解することはとても重要です。何故なら、クライアントのことを理解せずに、クライアントの内部にある可能性を引き出すことは不可能だからです。
実際に本当に何を求めているのかという「内なる欲求」「内なる目標」を、クライアント自身が良く認識出来ていないということはよくあることです。これを対話を通じて明確にした上で、そこにたどり着く方法を一緒になって考えていくことが重要です。クライアント自身が自分のことを理解するのと同じようにコーチもクライアントのことを深く理解していく必要があるのです。
しかし、他人を理解するというのは簡単なことではありません。人は十人十色、千差万別と言われるように一人ひとりが全く異なります。価値観、考え方、行動パターン、思考傾向、情報処理の仕方など、同じ人はいません。クライアントのことを理解し、そのクライアントに合った方法で対話を進めていくことはコーチングを効率良く進める上でとても重要です。
コミュニケーション・タイプとは?
クライアントの理解を深める為にコーチが試みるツールに「コミュニケーション・タイプ」というものがあります。「ソーシャル・スタイル」と呼ばれることもあります。8つの分類、16の分類など手法は様々です。
代表的なものに、感情表現の多少、自己主張の強弱の二軸から4つのタイプ(コントローラー、プロモーター、アナライザー、サポーター)にまずは分類するというものがあります。勿論、人を4種類だけ分けて終わりというものではありません。クライアントを深く理解する為の最初の手掛かりとしてタイプを分析し、そこからさらに理解を深めていくのです。
コミュニケーションの傾向として、自己主張(強い/弱い)、感情表現(多い/少ない)の二軸で考えてみましょう。
誰しもが必ずしも1つのタイプに絞られる訳ではありません。傾向の強弱として2つのタイプが見え隠れすることもあります。例えば、プロモーター寄りのコントローラーといった具合です。
さらにコミュニケーションの傾向は、人同士の関係性によっても変化することがありますので、画一的にそして常にこのタイプだとは言い切れません。しかし、コーチがクライアントを理解し、コーチングを進めていく上では有効な手段になります。また、どのタイプに当てはまるかを考えることがクライアントに対する興味にも繋がっていきます。
重要なことは、この4つのタイプのどれに当てはまるかを考えることでクライアントへの興味を深め、そして、クライアントへの理解を進めることです。間違っても、4つのタイプに分ける行為が、相手の理解を妨げる要因であるラベリングやステレオタイピングにならないように注意することが重要です。
4つのタイプ(コントローラー、プロモーター、アナライザー、サポーター)の特徴や行動傾向については、次回以降で掘り下げていきたいと思います。
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